東洋医学的対処法

花粉症1では東洋医学的メカニズムと冬の過ごし方が大切ということをお伝えしました。
花粉症2では、対処法を掘り下げてお話していきます。
鼻の症状は、まず肺虚(はいきょ)といって肺の気が足りないことから始まり、熱が鼻を流れる経絡の陽明経(ようめいけい)に停滞して起こります。その後、多くは脾虚(ひきょ)になり、熱が陽明経から太陰肺経(たいいんはいけい)に進みます。そして、熱が督脈(とくみゃく)に侵入して停滞します。
肺虚 陽明経 ➡ 脾虚 陽明経 ➡太陰肺経 ➡ 督脈
※虚というのは、不足している状態のことです。
※陽明経とは、陽明大腸経と陽明胃経のことで、鼻と関連が深い経絡であり鼻のそばにツボがあります。
※太陰肺経は、鎖骨の下から始まり、腕~親指までを通るツボの道のことです。
※督脈とは、カラダの後ろ側の中央に並ぶツボの道のことです。
東洋医学的に脾とは、胃と一体となって働き、飲食物の消化や吸収を行っています。脾がうまく働かなくなると、腹痛や下痢など消化吸収に異常を生じます。現代では、食べ物に恵まれ日頃から食べ過ぎていて胃腸が疲れている人が多くいらっしゃいます。そのために脾虚の体質の方が増えています。
当院の経絡治療では、まず肺虚や脾虚を治してから、鼻の症状を治していきます。鼻の症状だけを治しても根本的な気の不足を補わなければ、すぐに症状はぶり返してくるからです。
鼻の症状を治すときには、四白、上星、印堂などを使います。やはり、陽明胃経や督脈のツボがよく効きます。
薬膳では、カラダを温めるネギやショウガ、シソなどがおすすめです。また、山椒や胡椒などのスパイスを使ったお料理もおすすめです。温める作用が強い食材の摂り過ぎにはご注意ください。
鼻水とともに浮腫みが気になる方は、水はけが悪い体質になっています。小豆や黒豆などの豆類を摂るとよいでしょう。